左心室肥大とザイデナの使用

日本においては、勃起不全症の治療薬として、クエン酸シルデナフィル(バイアグラ)、バルデナフィル(レビトラ)、タダラフィル(シアリス)の3種類が厚生労働省の製造販売承認を受け、臨床応用されています。しかし海外においては、これら以外にも勃起不全症治療薬として臨床応用されている薬があります。その1つがザイデナです。このザイデナは韓国の東亞製薬会社が製造販売している商品で、その有効成分はウデナフィルという名前です。ザイデナは、バイアグラ、レビトラ、シアリスと同様の作用機序を有しており、ホスホジエステラーゼ5という酵素を阻害することで血管内のサイクリックGMP濃度を高め、血管拡張させることにより、陰茎部の血流量を増加させ、勃起を引き起こします。このザイデナは大動脈弁狭窄症や特発性肥厚性大動脈弁下狭窄症などの左心流路閉塞のある人には服用しないことが推奨されます。ここではそれはなぜか解説します。
左心流路閉塞症のある人は血圧をかけないと全身循環が保たれない状態になっています。そこで心臓は、強い力で血液を送り込もうとして左心室の周りの心筋をより強化しようとします。この状態が長く続くと左心が肥厚するようになります。その肥厚した左心の筋肉は徐々に固くなっていき機能しなくなってきます。これがひどくなると、逆に一度に十分な量の血液を送り出せないようになってしまいます。もしこのような状況でザイデナを使用すると、血管を拡張させ、血圧が下がるため、より血液を送り出せない状態となります。しかし、心臓の機能がそれをカバーできない状態にあるため、循環不全を起こすリスクが通常の人より高くなるのです。
ザイデナは個人輸入という形で海外製品を医療機関を介さず手に入れることはできますが、このように服用にリスクのある方もいらっしゃいますので、十分に注意しましょう。